カテゴリー別アーカイブ: Book

英語学習者にお勧めの書籍:中津燎子『英語と運命』

中津燎子『英語と運命』を読みました。

この本は、英語学習者にお勧めです。分厚い本で伝記的に様々な事が書かれており、著者の波乱万丈な人生についても面白いのですが、英語学習者にとって大切な情報がたくさん詰まっていて、とても役に立ちます!

「英語を学習するうえで日本人に足りない力」と「それをどう身につければ良いか」についての指摘は、とても参考になりますね!

以下、私が気になった個所を引用します。

●日本人に必要な能力

  • 秘訣は「Why?」と「Because」(中津燎子『英語と運命』p143)
  • 「いやだ」と言うべき時に言うことは大事だが、その理由を相手に納得させることが百倍も大事である(中津燎子『英語と運命』p405)
  • 必要な時に正確な言葉で、優雅・冷静に説明出来て、しかも質問が的確にできる能力(中津燎子『英語と運命』p389)

単語や文法を知っていることも大事ですけど、結局は「何が伝えたいのか(意見)」と「どうやって伝えるのか(方法)」が大切ですよね。

●日本語と英語の違い

  • 日本語と英語のちがいの第一は、「モノスゴイ破裂の子音と、息で作る短母音の存在」。ちがいの第二は、「スピーチという名称で一括されている、言語による闘争の存在」。(中津燎子『英語と運命』p150)

私を含めて、多くの方がスピーチは苦手だと思います。そういうトレーニングを受けてきていませんから。スピーチが上手になりたければ、以下の点を意識して、トレーニングを重ねるしかありません。

●スピーチができない日本人

  • 「原稿を読む朗読」と勘違いする。
  • 「概要」と「意見」と「感想」がごちゃ混ぜになって、何が言いたいのか分からない。
  • 前置きが長く、結論を言えない(自分は何が言いたかったのかが分からなくなる)。
  • 時間内にスピーチを終えられない。
  • 「感情」が「意見」を支配してしまい、且つそれに気付かない。

(中津燎子『英語と運命』p309, 310, 311)

●日本人の気質・日本人の意見のなさ

  • テーブルを丸く取りまいて十数人の日本の大学生たちが集まっていたが、みんな興味深げに話しを聞いていた。アメリカ人の女子学生の一人が、よく通る声で歯ぎれよく、「あなた方は現在の日本の英語教育制度に大変満足であり、その教育効果に対して幸せを感じますか?それとも不満足ですか?」と彼らにたずねた。学生たちは少しばかりガヤガヤと相談したあげく、一人が代表となって答えた。「僕たちは、日本の英語教育制度とその結果に対して、非常に満足である、というわけではありません。だが、ものすごくみじめで不幸せ、ということでもありません。」(中津燎子『英語と運命』p332, 333)
  • とにかく決断することが苦手なのだ。それによって生じる責任に直面するのはもっと苦手であるらしい。(中津燎子『英語と運命』p408)
  • 「はにかみ」は、「判断の先送り」と重なり、「ためらい」は、「決断の後回し」と共存し、「人見知り」は「状況待ち」でなにもしない(中津燎子『英語と運命』p354)

ここが、英語学習者が直面するもっとも大変な問題ではないでしょうか。結局何が言いたいのか、その意見がない。英語は日本語に比べれば論理性が高く曖昧さの少ない言語ですから、上記のような日本人気質を持ったままで英語を話すと、上手に言葉をまとめることができませんね。

いやいや、とても良い本でした。
中津さん素晴らしい本をありがとう!

以上。